本日のブログでは近日発売予定のエリー95MDについてご紹介させて頂きたいと思います。
サイズ:95mm
重量:11.2g
潜行深度:2.1m(16ポンドフロロ使用時)
フック:イチカワRCカマキリ#6
スナップ:オリジナルスナップ1+
価格:2300円(税抜)/ 2530円(税込)
リリース予定時期:2024年6月
カラーパターン
フィン構造体
リップ下のフィンが特徴的なエリー95MD。
このフィンがスタビライザーの役目を果たしてロールアクションを制御し、ハイピッチなタイトローリングアクションを発生させる原動力になっています。
メカニズムを簡単にご説明させていただくと、フィンでロール時の過度なボディーの倒れ込みを抑え、ロールの振幅スピードを加速させています。(倒れ込みすぎないので、早く戻って来れる)
そしてこのフィンですが、その特性をうまく使うことによって、用途に合わせたアクションに調節して頂くことが可能です。
フィンカットチューン
フィンカットチューンを行った場合、どのような特性を持たせられるかについては動画にて説明させて頂いていますのでそちらをご覧頂ければと思いますが、要点のみをお伝えすると下記の感じになります。
ノーマルセッティング | フィンカットチューン | |
スイミングアクション | ハイスピードタイトピッチアクション | 少しだけロールスピードが遅くなる |
ダートアクション | そこそこダート | キレキレダート |
潜行深度 | マックス潜行深度 | 少し浅目になる |
フィンカットの方法は発売時期に合わせてチューニング説明動画を公開させて頂きますね。
アウターウェイトチューン
ノーマルセッティングはスローフローティング設定になっているエリー95MDですが、アウターウェイトを装着して頂くことで、スローシンキングセッティングやサスペンドセッティングに簡単に調節して頂けます。(*アウターウェイトは別売りになります)
フックサイズチューン
ボディーに浮力の余裕を持たせてありますので、フックをサイズアップして頂くことが可能。
ノーマルセッティングではイチカワフィッシングさんのRCカマキリの#6番がセットされていますが、#4ぐらいまでサイズアップして頂く事が可能です。(4番フックx2ぐらいで大体サスペンド状態になります)
ビッグフィッシュの可能性があるフィールドでオススメのチューニングです。
ここから先はそんなエリー95MDの誕生の経緯を少し書かせていただきますね。
エリー95MDの開発の歴史
デッサン日:2016年8月18日
このルアーの出発点はこのデッサン。
僕が普段釣りをしているエリー湖やオンタリオ湖ではジャークベイトは超重要ルアーの一つなのですが、アフタースポーン期以降から夏場になるとコンパクトサイズのジャークベイトが必要になる日が多く、よしそれなら、小さいサイズのエリーを作ったろ、と思い立ったのが2016年の夏のことでした。
そんなフィールドでの実体験を元にして誕生したエリー95コンセプトですが、最初は実はSDではなくMDで開発を進めていたんです。
それには二つ理由がありまして、まず一つ目の理由は、夏場になって水温が上がってくるに従って大型ボディーのジャークベイトは見切られる事が増えていくという謎現象。
春や晩秋などはむしろでかいボディーのジャークベイトが良いことが多いのですが、水温が上がるアフタースポーン期以降はお魚さん達の頭の血の巡りが良くなって判断力が上がっているのか、そもそも夏場は小さめなエメラルドシャイナーなどを食べていることが多いのでルアーも小さめが良いのか、本当の理由は僕にはわかりませんが、コンパクトサイズのジャークベイトならバイトまで持ち込めるという体験を何度もしたんですよね。
もちろん夏場でも115サイズにガンガン食ってくる日もあるのですが、日によってはルアーのサイズにシビアな日があるということを五大湖のスモールマウスさん達に教えてもらいました。
そして、MDとして開発をスタートさせた二つ目の理由は、この時期に有効なレンジに送り込みたいという理由。
夏場なので、魚が少し深めのレンジにいる事も多く、少し潜行深度を稼ぎたいという思いがミドルレンジのモデルを目指す大きな理由になりました。
このプロトは、そんな試行錯誤の中から生まれたプロトタイプ。
MDとして開発したのですが、今見たらSDとMDの中間ぐらいのリップセッティングですね。
で、このプロトの調子が良くて量産化を目指したのですが、どうしてもこの手作りプロトのアクションをマスプロ製品で再現する目処が立たず、開発は暗礁に乗り上げたのでした。
その原因は非常に明白で、アクションを良くするならプラスチックボディーの軽量化!と鼻息荒く、限界ギリギリまで、いや限界点を超えた状態になるまでプロトタイプのプラスチック壁を削り込んで軽量化を図ってしまったのがこの問題の最大の元凶でした。
何が起こったかと言うと、マスプロ化を目指す過程で、ボディー強度が保てるプラスチックの厚みにしたら、あれ?泳ぎが悪いぞ???とw
量産化を目指すなら強度や耐久性も非常に重要な要素になりますが、プロト改良の段階でそれらの大事な要素をすっぽりと忘れていたアライグマなのでした。(ひっくり返すべきものはちゃぶ台ではなく、自分だったという案件w)
そんなトライアンドエラーの試行錯誤の中、このボディーをベースにしてセッティングを変えて作り上げたのが95SDだったのですが、SDは開発が順調に進み、2019年にデビューを果たすことになりました。
エリー95SD
このエリー95SDは発売以来、本当に沢山の方々にご愛用頂き、ただただ感謝しかありません。(本当にありがとうございます)
そんなこんなで完全に路頭に迷っていたエリー95MDでしたが、その後エリーシリーズの各モデルを開発していったことでエリーボディーに対する理解度が上がったことと、ある日見つけたヒントが突破口を開いてくれました。
そのアイデアの一つがリップ下のフィン。
それらのアイデアをフル導入し、ようやく誕生したエリー95MDさん。
チョンチョンしてもらえばヒラヒラとダートし、ジャークベイトとして使って頂けます。
ただ巻きの時は素早いロールで泳ぎ、シャッドプラグのような巻きの釣りでも使って頂けます。
根掛かりが怖いフィールドでも使いやすいようにスローフローティングに設定していますが、アウターウェイトを装着して頂く事で水深4m以上に送り届けて頂くことも可能です。
湖で、川で、海で‥‥様々な魚種相手に使って頂けるジャークベイトを本気で目指して作り上げたエリー95MD。
ぜひ皆様のフィールドでお試し頂ければ幸いです!
■ エリー95MD説明動画
■ エリー95MDウェブページ
お取扱店様および問屋様には近日中にご案内を差し上げますので、どうぞよろしくお願いたします。