【クセツヨクルクル】シムコー75

ここ最近連載中のシムコーネタですが、今日のブログではシムコーの弱点と、それを克服する方法について取り上げさせて頂きたいと思います。リライト記事になります。

オリジナル記事掲載日:2023年 11月 25日

このシムコー75、製作者自身がこんなことを言うのもなんですが、強いクセを持ったルアーとなっています。

そのクセとはキャスタビリティー。

このシムコー75は投げ方を失敗すると、飛行中にルアーがクルクルと回転してしまうという弱点を持っています。

なぜ、シムコー75が飛行中に回転してしまうのか、そのメカニズムをご説明させて頂きますと、その原因はこのボディーシェイプが大きく関係しています。

極薄ボディーが故に飛行中に少しでもバランスを崩してしまうと、木の葉のように、もしくはプロペラのようにクルクルと回転してしまうのです。。

ではこれは欠点なのか?というと、一概にそうとは言い切れないのがルアー開発の奥深いところ。

飛行中に空気を掴んでクルクル回るということは、言ってみればボディーがそれだけ敏感に反応する形状であるということであり、それは水中で泳ぐ時には抜群に水を掴む形状でもあるという表裏一体の特性を持つということでもあるのです。

シムコー75の抜群のアクションレスポンスやバイブレーションの強さは、この要素が大きな原動力になっています。

なので、このシムコー75はある意味、使用者のサポートが必要なルアーというか、クセへの理解と適切な使用法を必要とするルアーと言っても良いのかもしれません。

物凄く乱暴な言葉にはなりますが、このシムコー75に施したセッティングは、飛行能力を多少犠牲にしても実現させたかったアクションを限界まで追求。

そういうセッティングなのです。

キャスト時の癖はキャスティング方法やタックルセッティングである程度は克服できますが、水中を泳ぐ際のアクションレスポンスや障害物回避性能など、それらの機能の部分はルアーが持っているポテンシャルが全てですから、それらの能力を極限まで高めたかったと。

では、このシムコークルクル現象をどうやったら克服できるのか?

そのことについて、先日空蘭々さんが動画で、これ以上ないぐらいものすごく的確なお話をしてくださっていたので、ぜひご覧になってみてください。

紙飛行機を投げるように…

これ以上適切な言葉があるのか?と思えるぐらいの名言です。

シムコー75の適切な投げ方は空蘭々さんが動画の13分ぐらいのところからお話ししてくださっています。

ここから先は僕からの補足説明とさせて頂きたいのですが、このシムコー75は強い向かい風の中とか、適切じゃないタックルや適切じゃない投げ方をするとクルクルマシーン化してしまいやすくなります。

まず強い向かい風の時ですが、これはもう身も蓋もありませんが、諦めてくださいw

多少の風ならいけると思いますが、どう投げても回って仕方がないコンディションの時は他の飛行姿勢が素晴らしいリップレスクランクを使っていただくのが一番良いと思います。

そういう意味ではシムコー75HWは75よりもだいぶ限界点が高いので、選択肢に入れて頂いても良いかもしれません。

シムコー75HW

で、次にクルクル現象がタックルセッティングや投げ方に起因する場合ですが、シムコー75が最もクルクルマシーン化しやすい条件からお話させて頂いた方が理解して頂きやすいかもですね。

シムコー75がクルクルナンジャコリャー状態に陥りやすいタックル&投げ方は、硬めの竿でピュンとスナップを効かせて投げるような場合。

要するに飛行スピードが速すぎるとクルクルが発生しやすい状況になってしまいます。

特に遠投をしようと思って、思いっきり投げようとすればするほどこの現象が起こりやすくなります。

なので、シムコーを回転させられる方はしっかりとロッドを振り抜くキャストができている方と言えるかもしれません。

オレは無風下でもシムコー75を回転させられるぜ!と言う方はキャスティングに自信を持って頂いてよろしいかと存じますw

何を言う、75どころかオレは75HWも回転させられるぜ!という方は師範代級ですねw(どういう褒め方?)

なら、そのクルクルを解消することはできないのか?ということになりますが、完全には解消はできないですが、かなり軽減することはできます。

そのキモですが、硬い竿でピュッと投げたら回転するのであれば、その逆のセッティング&投げ方をすれば良いのです。

その観点で、僕自身が現時点でベストと思うシムコー用タックルセッティングはこれ。

ロッド:ノースフォークコンポジットACR70MH(グラスコンポジット)
リール:ダイワ 旧ジリオンHD
ライン:PE20ポンド
リーダー:フロロ16ポンド〜20ポンド(1ヒロぐらい)
ルアー:シムコー75&75HW

僕的オススメはグラスコンポジットロッド+PEラインの組み合わせです。

グラスコンポジットロッドはグラファイトロッドと比較すると、投げる時のスイングでよく曲がり、復元スピードも遅めなので、ピュンではなく、ビヨーンと投げる感じになり、それがシムコー75のキャストにはとても相性が良いです。

ビヨーンがミソなんですね。(なんという雑な説明w)

そしてそれにプラスして、ブレーキが固定ローター式の旧ジリオンHDのブレーキ特性もかなり大きなヘルプになっています。

固定ローターであるが故、常に一定のブレーキが掛かっていることからルアーの飛行姿勢が制御されて安定飛行させやすく、シムコーに限らず、空気抵抗が大きいハードベイト全般を投げやすいリールだと思います。

2024年10月29日追記
PEラインにリーダーを接続して使われる場合ですが、リールに巻き込むぐらいの長さ(2〜3ヒロ)にすると、スプールが最大回転スピードに達しているタイミングでPEラインとリーダーの接続部(ノット)が放出され、結果、ガイドをスムースに抜けてくれなくてロッドにブレが生じたり、ラインの抜けスピードに変化が生じて、シムコーに回転運動を与えやすくなります。
オススメは1ヒロ以内で、リーダーの長さをスプールに巻き込まないぐらいの短めリーダーにしておくと、スムースなキャストに繋がります。
また、それぐらいの長さのリーダーだと、手元に伝わるバイブレーションもちょうど良い塩梅ぐらいになりますのでオススメです。

PE直結の場合は更にキャストフィールは上がりますが、ルアーの結束部の強度が落ちますので、それを踏まえて少し強めのライン選択をお勧めします。

ですが、これらのタックルをお持ちでない方が大部分ですよね。

グラスコンポジットロッドも旧ジリオンHDも持っとらんわい!と言う皆様もご安心を。

今使われているタックルでブレーキをほんの少しだけ強めにして頂き、フルパワーで振り切るのではなく、ほんの少しスイングスピードを落としてルアーの飛行スピードをコントロールして頂くと、シムコークルクル現象の頻度をかなり減らしていただけると思います。

そう、紙飛行機を投げるように。。。

ってなわけで、クセが強めなルアーかもですが、水中では最高のパフォーマンスを発揮させるよう作り上げましたので、これからの冬バス狙いでぜひお試し頂ければ幸いです。

シムコー75&75HWについての詳しいルアー解説はこちら→ https://nlwblog.com/?p=553

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